終活について考えることは、残りの人生を有意義にすることに役立ちます。
しかし、「何から始めたらいいのかわからない」と迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「終活でやること」や「よくある疑問」について詳しく解説します。終活について考え始めた方や、すでに取り組んでいる方も、ぜひ最後までご覧ください。
終活のやることリスト
終活はやることが多く、何から始めればいいかわからない方も多いかと思います。ここでは終活でやるべきことについて、詳しく解説します。
エンディングノートの作成
エンディングノートとは、終活についての考えを残すためのノートです。
エンディングノートには遺言書のような法的効力はありませんが、生きている間の願いや死後の要望など、自分の思いを具体的にまとめることができます。
例えば、どのような介護を希望するか、終末期の医療はどうしたいか、お墓はどうするか、ペットの世話はどうするかなどについて、自身の意志を明確に示すことができます。
また、自分の心の中の感情や思いを記すことができるため、家族や大切な人に自分の気持ちをノートを通じて伝えることも可能です。
終活をしようと思ったら、まずは自分の人生を見つめ直す機会として、エンディングノートを作成してみましょう。
断捨離・生前整理
身の回りをすっきりさせるために、生前に不要なものを整理して断捨離しましょう。
長年住んできた家の中には、もう今は必要でないものや、長く使っていないもの、積み重なった思い出の品々、さらには契約中のサービスなど、整理すべき要素がたくさんあるのではないでしょうか。
断捨離や生前整理とは、これらのアイテムや契約を整理し、自分がこれからの人生で本当に必要なものと不要なものを区別することです。
不要なものをそのままにしてしまうと、遺族が整理に困ってしまうかもしれません。
整理できる部分については、元気なうちにできるだけ整理しておくことをおすすめします。
遺言書の作成
法律に則り資産を分けたい場合は、遺言書を作成しましょう。遺言書を残すことで、遺族間でのトラブルが減るというメリットがあります。
遺言書には、自筆で全文書く「自筆証書遺言」と法律の専門家が書いてくれる「公正証書遺言」の2種類があります。
自筆で書く場合は費用がかからなかったり、気軽に作成できたりというメリットがありますが、書き方によっては無効になるリスクもあるため、不安な方は専門家におまかせするのもおすすめです。
葬儀の準備
葬儀に関する希望がある場合は、エンディングノートに記載したり、生前予約を行ったりしましょう。
葬儀の形式や規模、費用、使いたい写真などを事前に考えておくことは、家族や親しい人々の負担の軽減につながります。
また、事前に自身の信仰や価値観に基づいた葬儀を考えておくことで、自分らしいお別れの時間を持つことができます。
資産の見直し
資産の見直しは、老後の生活資金の使い方や、最期が訪れたときにどのように資産を分配するかを考える大切な機会です。
現金、預金、保険、車や宝石などの動産、そして不動産など、一度すべての資産をエンディングノートなどに書き出し、把握しましょう。そして資産が把握できたら、資産の整理を行っていきます。
使用していない銀行口座を解約したり、保険の見直しを行ったりすることで、資産をすっきり整理することができます。
医療・介護の意向決定
老後の医療や介護についての意向を明確にしておきましょう。
どのような終末期医療を希望するのか、介護が必要になった場合にはどのような形態を望むのか、といった点を考えておく必要があります。
具体的な意向は、エンディングノートに記載するのがおすすめです。
老後の住まい計画
老後の住まいについての計画は、長い人生の最期をどのように過ごすかを決めるにあたり重要な要素です。
どこで生活するか、どんな生活スタイルを選ぶか、どのくらいの資金が必要か、これらを考慮に入れた上で、老後の住まいを計画しましょう。
自宅での生活を続けるのか、あるいは高齢者向けの施設に移るのかなどの計画を早めに立てて、資金や相続などの準備をしておきましょう。
デジタルデータの管理
デジタルデータの管理も忘れずに行いましょう。私たちの生活はデジタル化が進んでおり、パソコンやスマホに保存された大切なデータや記録が増えています。
写真、動画、メール、SNSアカウントなど、これらのデジタルデータは遺品の一部で、「デジタル遺品」と呼ばれます。
処分方法を誤ると個人情報が流出したり、大切なデータが消えてしまったりというトラブルにつながります。パスワードの管理やデータのバックアップ、重要なデータの共有など、将来的に問題が起きないような管理を心がけましょう。
セカンドライフの計画
退職後の人生、いわゆる「セカンドライフ」は、終活の中でも特に楽しみにしている方も多いかもしれません。
老後の時間をどのように過ごすか、どんな趣味や活動に参加するか、または新たなスキルを習得するかなど、自由な時間をどう使うかを事前に計画することで、有意義なセカンドライフを送ることができます。
また、セカンドライフでは新たな収入の可能性もあります。ボランティア活動やパートタイムの仕事、趣味を生かしたビジネスなど、自分のライフスタイルに合った収入源を探すことも検討してみましょう。
これからの人生を豊かにするためには、自分の時間をどう活用するか、自分のライフスタイルをどう設計するかを考えることが大切です。
それが、充実したセカンドライフを送る第一歩となります。
家族との情報共有
終活は自己満足だけでなく、遺される家族の負担を軽減する目的もあります。
そのため、行った終活の内容や自身の意向を家族と共有することが非常に重要となります。エンディングノートの内容、遺言の詳細、自身の資産状況、生前整理の進行度などを家族に伝えましょう。
終活は「最後の人生設計」です。
だからこそ、終活の内容や進行状況を家族に伝え、理解してもらったり、話し合ったりすることが大切です。
終活でよくある疑問
終活でよくある疑問について見てみましょう。
いつから終活を始めるべきか
終活は何歳からでも始めることができます。一般的には、60代から始める人が多いと言われています。
その理由として、退職や子供の独立など、人生の節目でライフスタイルが大きく変わるタイミングのため、自分自身の未来について深く考える機会が増えるからです。
思い立ったら早めに終活を始めるのもおすすめです。早めに終活を始めることで、自分の人生を見つめ直すきっかけになったり、家族との話し合いがじっくりできたりというメリットがあります。
何から手を付けるべきか
終活について「やることが多くて何から始めていいかわからない」という場合、まずはエンディングノート作成から始めるのがおすすめです。
エンディングノートの作成を通じて、終活全体の流れを把握することができます。
市販のエンディングノートには、終活でやるべきことがわかりやすく記載されているものも多いので、初めて終活に取り組む方でも取り組みやすいものとなっています。
終活への第一歩として、ぜひエンディングノートの作成にチャレンジしてみてください。
おひとりさまも終活をした方が良いか
おひとりさまであっても、終活は重要です。遺族のためのもの、という終活のイメージから、一人暮らしの方は「終活が必要ない」と考えがちかもしれません。
しかし、終活を行うことで一人暮らしの方が得られる利点は数多くあります。
まず、孤独死の予防です。内閣府の出している高齢社会白書によれば、60歳以上の一人暮らしの方のうち、半数以上が孤独死への不安を抱えています。
定期的な巡回サービスを利用するなど、安否確認の手段をあらかじめ計画しておくことで、その不安を軽減することができます。
さらに、病気や怪我で生活が困難になったときに、どのようなケアを受けるか、誰に援助を求めるかを考えておくことも重要です。
「何かあったらどうしよう」という不安は一人暮らしの方にとって共通の悩みでしょう。
しかし、終活を行うことで、これからの人生について前向きに考え、不安を和らげることが可能となります。
まとめ
今回は、終活で行うべきポイントとよくある疑問について解説しました。
終活は自分の意志を尊重し、遺される家族の負担を軽減するために重要なステップです。早期に始めて、しっかりと準備しておきましょう。
まずはエンディングノートなど、取り組みやすいところから始めてみてください。